
現在、防災士を取得した方は16万人を超え、地域や会社の防災力強化を目的に活動しています。
行政も積極的に支援を行っており、取得費用の補助を行っている自治体は352にものぼります。
その背景には、東日本大震災などで行政の対応能力の限界が明らかになり、地域の防災力強化が求められるようになったことがあります。
会社でも防災士の取得が進んでおり、事業継続計画(BCP)や社内の防災力強化に活かされています。
防災士とは
特定非営利活動法人日本防災士機構による民間資格で、阪神・淡路大震災を教訓として、民間の防災リーダーを速やかに養成する目的で創設されています。
防災士とは”自助”“共助”“協働”を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、 そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを日本防災士機構が認証した人です。
会社で防災士の資格を取得するメリット
防災士の認知度は災害が発生する度、また年を追う毎にますます高まっています。
企業としても会社と社員を守るため、対処すべき事案は多岐にわたり、今後発生するだろう「南海トラフ巨大地震」「首都直下型地震」を背景に、その重要性もまた高まっています。
資格取得のメリット
- 今後起こる「南海トラフ巨大地震」や「首都直下型地震」に対する事業所内外の安全対策及び防災力の向上
- 防災知識を保有する人材による、会社施設内だけでなく、周辺地域を意識した事業継続計画(BCP)の作成
- 主要取引先からの安心感の向上
- 顧客からの会社に対する信頼度の向上
など
会社内での防災士の活動
建物の耐震性などの安全対策、いざというときに備えた災害対応マニュアル、BCP(事業継続計画)の立案など、防災士の会社内での活動は会社と社員の命を守る上で非常に重要です。
防災士の活動内容
- 社内の備蓄品を見直し、防災マニュアルを作成した上で会社全体での防災対策を推進する
- 災害発生時に社員の安全を確保するため、避難経路を実際に歩いての調査
- 社内全体で避難マニュアルの共有化の推進
- 発災時の会社の現状を取引先へ正しく伝える広報活動
- CSRの観点から自社工場の被害想定を近隣住民と共有し、合同で防災訓練を行えるよう推進する
など
防災士を取得するには
取得までの流れ
① 申し込み
防災士研修センターのサイトから都合のいいコースを選び、申込みを行います。
費用総額:60,920円
(防災士研修講座受講料:49,000円、消費税:3,920円、防災士資格取得試験受験料:3,000円(預り金)、防災士資格認証登録料:5,000円(預り金))
② 自宅学習
試験の約1ヶ月前に防災士教本・試験対策ブック・履修確認レポートが届きます。
③ 2日間の会場研修(防災士養成研修講座と図上訓練)
履修確認レポートの解答用紙を提出し、2日間の講義を受けます。
④ 資格取得試験
防災士養成研修講座の最終日の最後に試験があります。
試験は30問の三択で出題され、そのうち21問以上(7割以上)正解で合格となります。
試験時間:50分/試験範囲:該当年度の防災士教本内
⑤ 合否通知が届く
試験の約10日後に届きます。
⑥ 救急救命講習の修了証を取得
救急救命講習の修了証の取得のため、近くの消防署等で救急救命講習を受けます。
費用:1,400円
⑦ 防災士認証登録申請
救急救命講習の修了証のコピーと証明写真2枚を、試験時に渡された封筒に入れ郵送します。
⑧ 防災士資格取得
約3ヶ月程で防災士の認証状及び防災士証が届き、晴れて防災士となります。
※⑥の救急救命講習の修了証は防災士養成研修講座前に取得しても問題ありません。
防災士養成研修講座前に救急救命講習の修了証取得し、証明写真を用意して
防災士養成研修講座に参加すると⑥⑦が不要となります。
防災士の難易度
試験はいじわる問題はなく、防災士教本をしっかりと読み、試験対策ブックを反復して解けば、落ちることはほぼありません。
2009年(平成21年)12月23日の毎日新聞(東京朝刊)では、合格率は約98%と報道されています。(現在は教本も改定され厚くなっているので90%程でしょうか。)
ほとんどの方が合格されているので、比較的やさしい試験です。
また、不合格だった場合でも、試験だけを再度無料で受けることが可能なのでご安心ください。
効率的な勉強方法
実際に試験を受けた経験から、時間にある程度余裕のある方は以下の勉強方法がオススメです。
平日に1日2講ずつ読み進める
防災士教本は全部で31講あり(講数は随時改定されているようです)、約1ヶ月前には届くので、余裕をもって1日2講ずつ読み進めるのがベストです。また、1講読むのに1時間程度かかるので、会社で働いている方なら1日2講が体力・集中力の限度ともいえますので、平日で1日1~2講ずつ読み進め、土・日はしっかり休まれた方がいいかと思います。ページが長かったり、集中できない日には、土・日にその分をまわすのもいいでしょう。
私は夜だと疲れてやる気がなくなってしまっているので、朝早めに起きて2講ずつ読み進めました。
最終週は、全体を総括し間違えそうな所を勉強するのに使うといいでしょう。
また、会場研修での講義は非常にためになり面白いのですが、試験の内容の一部をさらに深く理解するためのものなので、試験とは関係がないと思った方がいいです。
勉強の進め方
① 防災士教本を読む
② レポートに回答
③ 試験対策ブックの用語・ポイント確認
④ 試験対策ブックの練習問題を解く
※練習問題を解く際に、前日解いた問題も同時に解き、解けなければ用語・ポイントや教本を確認し、反復学習で記憶に定着させましょう。
私は覚えが悪いので、5講やるごとに、忘れていないか再度5講分の練習問題を解きなおしていました。
- 参考サイト:
- 防災士研修センター
- 認定特定非営利活動法人 日本防災士機構
災害時の防災用品・備蓄品の購入は
7Reserved(セブンリザーブド)では、防災用品や備蓄品など多くの商品を販売しております。是非そちらもご覧ください。
災害時の防災用品・備蓄品販売、7年の備蓄運用 7Reserved(セブンリザーブド) >>